- 証券会社の計算ツールの計算を自分でしてみよう
- 複利の効果の偉大さが分かる
- つみたてNisaの何がお得なのか、手数料の影響度合いが数字でわかる
はじめに
インデックス投資をするにあたって、証券会社のシミュレーターを利用される方は多いのではないでしょうか。
積立かんたんシミュレーション | 投信積立 | 投資信託 | 楽天証券
簡単に計算できますし、計算結果を見ながら妄想をふくらませるのも楽しいです。
ただ、「手数料を反映したい」とか、「米国ETFを直接買う場合」、「ドル転の手数料も含めたい」など色々と、計算の前提を追加したい場合にシミュレータではかゆいところに手がとどかない場合が多いです。
まずは簡単な事例で、Excelでリターンを計算してみたのでご紹介したいと思います。
私、うしじぞうがつみたてNisaで積み立てている「楽天・全米株式インデックス・ファンド」の基本スペックを確認します。
ファンド名 | 楽天・全米株式インデックス・ファンド |
---|---|
ファンドの管理費用 | 0.162% |
設定日 | 2017年9月29日 |
純資産 | 1,172億円 (2020年7月現在) |
「楽天・全米株式インデックス・ファンド」は通称「楽天VTI」とも呼ばれ、バンガード社のETFであるVTIを購入しているだけのファンドです。
だけ、というと聞こえがわるいようですが、それが素晴らしいんです!
VTIを直接買う場合、次の手間やコストを理解する必要があります。
- 1口約160ドル・約¥17,000(2020年7月時点)単位でしか買えない
- ドルを用意する必要がある(円貨決済可能だが、外貨決済より手数料高め)
- 購入時・売却時に0.45%の手数料が必要
- 売却時、売却益に対し、日本での課税20.315%の前にさらに、米国での課税10%がさっぴかれる
- 年間の手数料:0.03%
楽天VTIの場合は、次の通りです。
- 1口100円以上、1円単位で購入可能
- 円で購入
- 楽天カードで買える
- 購入時・売却時に手数料なし
- 売却時、売却益に対し、20.315%課税。ただしつみたてNisaであれば非課税
- 年間手数料0.162%
つみたてNisaで、時価総額15兆円・世界第4位(2020年7月時点)のETFであるVTIに投資できる、という点が魅力的です。
Largest ETFs: Top 100 ETFs By Assets | ETF Database
想定リターン
楽天証券で確認してみましょう。
2020年7月のデータです。
年率 4.41% (1年)
米国インデックスファンドの過去の平均リターンは年率6〜7%といわれていますので、ちょっと低いですね。あと、2017年にできたばかりのファンドなので、3年、5年のリターンも出ていません。
これは、コロナ影響による2020年3月のに大暴落の影響です。プラスになっているだけすごいともいえます。
長期の見通しをみるには参考にならないので、本家バンガードで確認してみます。
年率 6.17% (設定来)
設定が2001年ですので、2020年までの約20年の実績です。
リーマンショック、コロナショックなどの大暴落を含めての実績です。このあたりが昨今の米国株人気の理由ですね。
リターンと手数料を試算してみる
前提条件は次の通りです。
ファンド名 | 楽天・全米株式インデックス・ファンド |
---|---|
積立金額 | 年間 ¥400,000 (月額¥33,333) |
ファンドの管理費用 | 0.162% |
計算結果はこちら。
年間積立額 | 想定リターン(年率) | コスト | |
---|---|---|---|
400,000 | 6% | 0.162% | |
積立年数 | 投資金額 | リターン含む積立金額 | コスト(年額) |
1 | 400,000 | 424,000 | 687 |
2 | 800,000 | 872,712 | 1,414 |
3 | 1,200,000 | 1,347,576 | 2,183 |
4 | 1,600,000 | 1,850,117 | 2,997 |
5 | 2,000,000 | 2,381,946 | 3,859 |
6 | 2,400,000 | 2,944,773 | 4,771 |
7 | 2,800,000 | 3,540,403 | 5,735 |
8 | 3,200,000 | 4,170,747 | 6,757 |
9 | 3,600,000 | 4,837,830 | 7,837 |
10 | 4,000,000 | 5,543,792 | 8,981 |
11 | 4,400,000 | 6,290,900 | 10,191 |
12 | 4,800,000 | 7,081,551 | 11,472 |
13 | 5,200,000 | 7,918,284 | 12,828 |
14 | 5,600,000 | 8,803,784 | 14,262 |
15 | 6,000,000 | 9,740,893 | 15,780 |
16 | 6,400,000 | 10,732,619 | 17,387 |
17 | 6,800,000 | 11,782,146 | 19,087 |
18 | 7,200,000 | 12,892,843 | 20,886 |
19 | 7,600,000 | 14,068,274 | 22,791 |
20 | 8,000,000 | 15,312,212 | 24,806 |
7,312,212 | 214,711 | ||
↑運用収益 | ↑コスト合計 |
20年間で次のようになりました。
投資金額合計:¥8,000,000
リターン含む積立金額合計:¥15,312,212
リターン:¥7,312,212
コスト:¥214,711
次に、つみたてNisaの節税効果をみてみます。
20年間経った時点で全額売った(※)として、リターン730万円に対し、20.315%(148万円)の課税が免除されます。
¥7,312,212 × 20.315% = ¥1,485,476
(※極端な例です。定率取り崩し等、他に手段はありますのでまた別の機会に。)
いかがでしたでしょうか。
Excelを使って自分で計算してみると、投資に対する納得感が全然違います。
ちなみに証券会社のシミュレーターと比較して検算はしますが、他者が作ったシミュレーターはブラックボックスですので数値がぴったり一致することはほとんどないと思いますのでご了承ください。
想定リターン等のパラメーターをいくらか変えてみて、結果が大外れしてなければよしとします。(株価の変動に対しては誤差レベルかと思います)
いつもあなたを惑わせる、例のグラフも作れます。

計算式をご紹介しておきます。ご参考になれば幸いです。
1年目はこちら

2年目以降はこちらをオートフィルです。

まとめ
楽天・全米株式インデックス・ファンドを題材に、インデックスファンドの収支を自分で計算してみた事例でした。
ご参考になれば幸いです。
最後に、投資は自己責任です!
投資に関する決定は、読者様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!